次に,ガラスの中から空気の方に向かつてガラスの表面に対して斜めに進む光を考えてみましょう。入射する角度が小さい場合は,ちょうど空気からガラス中に入るのと逆の向きに光が進むだけです。ところが,光の進む向きとガラス表面に垂直な線 (法線) とのなす角度θがある角度θCよりも大きくなりますと,ガラス中での隣り合う披面とガラス表面の交点附の距離が空気中での光の波長λよりも小さくなります。そうしますと,波面がガラスの内と外でつながることができなくなり.光がガラスの外に出ることができなくなります(図84.8)。そのとき,光は 100%反射するようになります。この現象を全反射といいます、この全反射を始める角度θCを臨界角といいます。双眼鏡や潜望鏡で使われているプリズムはこの全反射を利用したものです。