現在体温計というと電子式のものが主流になっています。これができたのは,1985年頃のことです。それまでは,水銀を用いた体温計が用いられていました。私が20代の頃までは,体温計は理科の実験で用いる棒温度計を小さくしたようなものでした。取り出したあと水銀柱の高さが戻らないようになっていました。そのため,体温を計測したあとに手で降って,遠心力で水銀中を元に戻しました。日本では脇に挟んで測りますが,海外でも口の中の舌の下に入れて測ることも多いようです。4~5歳の時にアメリカにいましたが,お医者さんに行くと口の中に体温計を入れて測ったことを記憶しています。体温を測るときには,体と熱平衡にならないと正確な値が得られないので,10分間くらい脇にはさんでおく必要があります。記憶は定かではありませんが,5分計や3分計などというのがあったように記憶しています。電子体温計では,短時間で測れるようにするために,体温の上昇曲線から体温を予想するようになっています。また,ケースから出すとスイッチが入るようにするために,ケースには磁石が,本体にはリードスイッチというものが入っており,磁石の影響を受けなくなるとスイッチが入るそうです。最近は,体に触れずに体温が聞かれる赤外線体温計も作られています。Covid-19(新型コロナウィルス)の感染が流行してすっかりおなじみになりました。当初は空港での入国時の検査,病院などでも用いられていました。