現在では,冷凍機やヒートポンプを使った冷蔵庫,エアコン,エコキュートが普及しています。最初の冷蔵庫は1803年にアメリカでトマス・ムーアという人が氷を使う冷蔵庫をつくりrefrigeratorと名づけたのがはじまりです。19世紀中頃以降,さまざまな冷蔵庫がつくられるようになりました。1918年に米国のケルビネータ社によって製造・販売された冷蔵庫が現在の家庭用冷蔵庫の原型といわれています。国産の冷蔵庫は昭和5(1930)年に芝浦製作所(現在の東芝)によって発売されたものです。当時の物価で小さな家が1件建つほどの価格だったそうです。高度成長時代になると,白黒テレビ,電気洗濯機とともに「新種の神器」とよばれ急速に普及してきます。
最初の電気式エアコンの原型は,20世紀初頭に登場しました。当初は,冷媒としてアンモニア,クロロメタン,プロパンなどの毒性や可燃性のガスを使用していため,漏れだすと危険でした。現在のようなエアコンが登場したのは1930年頃のことです。1928年最初のフロンガスであるフレオンが商品化されたためエアコンが普及しだしたのです。その後,フロンガスはオゾン層破壊の原因となるとめに使われなくなりました。最近は,夏季に35°C以上の猛暑日が続くことがありますので,エアコンは生活に必須なものになってきました。私が子供の頃は30°Cを超えると暑い暑いと行っていましたが,今までは35°Cを超えないとそれほど暑く感じなくなってきました。反面,私の育った関東では冬は水道を流しながら寝ないと凍ったものでした。また,2~3 cm位の霜柱を踏んで学校に行き,帰りには霜柱が融けて靴の底に赤土の泥団子につけて帰りました。これらのことを考えると,温暖化が進んでいることを肌で感じます。
エコキュートは,最初から二酸化炭素を冷媒に使っています。エコキュートが商品化されたのは,2001年のことです。この時,「エコキュート」の愛称が決まりました。電力会社,給湯器メーカーが共同で使う愛称です。エコキュートは関西電力の登録商標です。
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関連サイト: 「第10回 熱の流れと熱機関」