ニュースで放射線の単位としてシーベルト [Sv] やベクレル [Bq] という単位がよく出てきます。ベクレルというのは,1つの原子核が1秒間に出す放射線の数です。しかし,人体への影響は放射線の種類によって異なります。これを示す放射線の強さがシーベルトです。1シーベルトというのは,物体1 kgあたり1ジュールのエネルギーの吸収される放射線量(この単位をグレイ [Gy] と呼びます)に,放射線の種類に寄って決まる線量計数と呼ばれるものをかけたものです。線量計数は,α線が20,中性子線が10,X線・γ線・β線が1です。
これは,ちょうどコインの数と金額に例えられます*。図129.1はいずれも520円ですが,上はコインが3個,下はコインが9 個あります。下のコインの数は上のコインの3倍になりますが,金額は同じです。コインの数がベクレルに,金額がシーベルトに対応すると考えるとよいでしょう。
なお,ミリシーベルト [mSy] というのは,千分の1シーベルト,マイクロシーベルト [mSy] というのは百万分の1シーベルトのことです。
*出典: 東北電力ホームページhttp://www.tohoku-epco.co.jp/electr/genshi/shiryo/wastes/07.html (執筆当時)を参考にしました。