放射線は身の回りにたくさんあります。しかし目に見えません。そのため,たとえ少量であったも,不安にな気持になることはよくわかります。病気の原因となる細菌(病原菌)の存在を知ったとき,同じような恐怖を感じたのかもしれません。物事を理解するためには,さまざまなものを対比して考えることが重要だと思います。放射線と細菌についても,似たようなところがあるのです。病原菌があっても,健康であれば病気になりません。免疫とよばれるはたらきによるものです。免疫というのは,外から侵入した感染や異物に対して体を守るはたらきのことです。ある程度の放射線が存在しても,健康に影響がないのは,免疫によるものです。免疫の力が強いと,放射線でDNAが損傷しても修復することができるのです。DNAの損傷で発ガン性が高まると考えられています。でも,ある程度の放射線があった方が,発がん性が少なくなるという説もあるようです。実験方法やデータの取り方にも問題があるかも知れません。もし,そのような効果が実際にあるとしたら,次のような原因が考えられるのではないでしょうか。
最近日本人は,細菌に感染しやすくなっていると言われています。これは,日本の清潔すぎる環境で成果しているために,免疫が弱まり,感染しやすくなると言われています。放射線に対する耐性についても,同様なものだと考えられます。衛生状態がよくなり,医療が発達して日頃は意識しませんが,本来細菌も恐ろしいものです。免疫というのは,体調や心理状態に左右されます。したがって,放射線が放出される事故が起きた時,必要以上の心配をすると免疫の力が衰え,別の原因で健康を害すこともあります。そのため,必要以上の心配をしないように,放射線に対する理解と,対処方法を知っておく必要があるでしょう。