普通の水を使った原子炉を軽水炉といます。「軽水」というのは「重水」(原子核が陽子1個に中性子からなる水素)に対する言葉で普通の水のことです。テレビのニュースを見ていると,原子力発電所の外観に違いがあるにお気づきの方もおられるかと思います。東京電力などの原子炉の建屋はと四角いのに,関西電力ではまわりもてっぺんもまるいのに気づかれた方も多いかと思います。
外観が違うだけではなく,東京電力などは沸騰水型原子炉(BWR)といって,原子炉内を通った水が直接蒸気となって発電機のタービンを回すのに対して,関西電力などのタイプは加圧水型原子炉(PWR)といって,原子炉内の水は圧力をかけて300°C以上になっており,その加熱された水で別系統の水を加熱して蒸気にしてタービンを動かしているのです(電気事業連合会「原子力・エネルギー図面集2015」参照)。各電力会社の商用原子力発電所の軽水炉のタイプを表122に示します。