熱の単位としては「カロリー」(cal)という単位が使われます。1 calというのは,1気圧において1 gの純水の温度を14.5℃から15.5℃に上昇させるのに必要な熱量です。この熱と仕事が同じ働きをするというのを最初に示したのがイギリスの物理学者ジュール(James Prescott Joule, 1818~1889)です。ジュールは,図49.1のような装置を用いました。1845年おもりが下がることによって,水の中の羽根車を回して上昇した温度を測ったのです。その時,羽根車にした仕事はおもりに働く重力とおもりの移動した距離の積となります。このことから,ジュールは熱と仕事は同等であることを示しました。現在では,
1 cal = 4.18065 J
であることが知られています。 [J]というのはエネルギーの単位でジュールと読みます。ジュールという単位はこの実験に基づいているのです。ちなみに,ジュールは,正式の研究職や教育職などには就くことなく,実家の醸造業を営みながら研究を行っていました。
関連動画: 「熱と仕事」(10分42秒)
関連サイト: 「第6回 あかりと熱源の歴史とエネルギー」