平成30年度 グローカルセミナーⅡ

尾形副会長が母校で講義

北海道経済や大学生活での自己探求手法を学ぶ

公益社団法人緑丘会と母校・小樽商科大学の依頼を頂き、当会の尾形副会長(公益財団法人小樽商科大学後援会理事)が平成30年6月15日(金)に母校でグローカルセミナーⅡ講義を担当しました。

このグローカルセミナーは、平成29年度から緑丘会の支援によってスタートした講義です。本コースは、協調学習を通じて、北海道経済の基本的な特徴や大学生活での自己探求手法を学ぶことが目的です。また、 経済学の基本原則を理解し、実社会の問題に原則を適用するための学問的スキルを身につけることを到達目標として設定されています。

講義は、第1~3週は 経済の基本原則、第 4~5週は北海道経済、そして第 6~12週は商大卒業生などゲストスピーカーを毎週1名招いてのディスカッションが行われています。ゲストスピーカーとしては、尾形副会長のほか、上川大雪酒造株式会社の塚原敏夫社長も講義を担当されました。

会場は言語センターのBL2教室。この教室では、ブレンディットラーニング(Blended Learning) という、モバイル端末を使ったオンライン学習と対面授業をブレンドした新しい授業スタイルが実践されています。講義は、講師のレクチャーから質疑応答まですべて英語または英語通訳付きで進行します。


ビジネス現場でのビジネスネゴシエーション

今回のテーマは「ビジネス現場でのビジネスネゴシエーション」、留学生を含む60名の学生が受講しました。尾形副会長は、自身が長年経験してきた広報業務を題材に3つのポイントを紹介されました。

第1に、自分のビジネスの基軸を知ることが大切。私たちの判断や行動は、そのビジネスが拠って立つ所、内在する強みや弱みによって、大きく左右される。銀行業務は、不特定多数の預金者から資金を集めて運用するため、財務バランスは潜在的に脆弱。このため、目に見えない「信用」の鎧兜で身をまとい、広報をはじめとして、あらゆる場面で「預金者、利用者保護」の基軸に立つことが必要。これを欠いては、銀行の「ビジネス・ネゴシエーション」は成り立たない。

第2に、危機広報で学んだこと。不祥事などの企業危機に直面した際、「預金者、利用者保護」の ため企業の社会的な説明責任を果たすとともに、適切な広報対応を行い不要な深傷を回避することが危機広報の目的。そのためには誠実かつ公平であることが危機広報の基本姿勢。また、記者の仕事の進め方を理解し、発表後の地域社会への影響の広がりにも想像力を働かせ、発表文書や想定問答を入念に準備することが大切。文書力を磨き、説得力ある話し方、素直に話を聞く力を若い頃から意識して身に着けてほしい。

第3は、「ビジネス・ネゴシエーション」の根幹は社会人としての信用。あ いさつをする、約束を守る、うそをつかない、隠さない・・・。誰でも理解できることを実践すること、徹底すること、ましてや経営者として組織全体に徹底することは、実はとても難しい。ただ、こうした基本の徹底が、部下や会社、取引先を守り、自分を守り、そしてビジネス世界での「信用」につながる。ビジネスに必要な知識や技術を習得することは必須だが、それ以上に、仕事に向き合う自分の姿勢をどう置くのか、そのマネジメントを大切にしてほしい。


講義では尾形副会長のレクチャーに続き、担当の船津教授からグループ討議のテーマとして「When you face a crisis, how would you maintain the public relationship ?」が示され、受講生はテーマに沿ってそれぞれグループの意見を発表しました。

最後に受講生から「商大で学んだことが危機広報でどのように役に立っているか」、「パラレルキャリアについての考えを聞かせて」、「AIの活用で今後の銀行はどのように変わっていくのか」などの質疑応答がありました。また、講義後には女子学生から「ビジネスを起業するために大事なことを教えてほしい」との相談もありました。

今回の講義については、後日受講生が「大学生活に役立ったか」、「就職活動に役立ったか」、「専門的な知見を得られたか」などの多面評価を行い、フィードバックされる予定です。


Glocal Seminar II Course information

Course Objectives and method

The purpose of this course is to introduce students into the basic features of Hokkaido economy and how to manage oneself in the college life. We use the cooperative learning method.

Course Goals

One should understand the basic principles in economics and acquire the academic skills to apply the principles into the real world issues.

Course contents

Week 1~3 Basic Priciples in Economics

Week 4~5 Hokkaido Economy

Week 6~12 Discussion with the Guest Speakers

Week 13~15 On Managing Yourself

Preparation and review lesson

Preparation: Reading the basic textbook on Economics in English.

Review Lesson: Writing an essay on the Hokkaido Economy

Teaching materials

HBR'S 10 MUST READS, "On Managing Yourself", 2010, Harvard Business Review

Remarks

This seminar is conducted in English.