第17回 小樽帰郷記②

「震災と復興」商大講義篇

    • 母校・小樽商科大学では、平成24年度と平成25年度に「震災と復興」をテーマにした講義を開催し、東日本大震災の復興を担う人材育成に全学をあげて取り組むことになりました。
    • 宮城支部が取材を受けた北海道新聞連載「復興へ商大の絆 被災地宮城のOBたち」(平成23年12月)は、小樽で大きな反響を呼び、母校・商大より本講義への講師派遣の依頼をいただきました。この講義の講師は、北海道新聞に紹介され、被災地金融機関で震災復興を担当している尾形副支部長(平成元年卒)が担当することになり、平成24年4月18日(水)に商大で講義を行いました。
    • 震災復興への商大生の関心は非常に高く、定員300名に対して500名程度の履修希望があり、厳正な抽選で受講者が決定したとのことでした。母校・小樽商科大学の緑丘キャンパスには、4月中旬というのにまだたくさんの残雪がありました。春の到来が本当に待ち遠しい限りです。
    • 商大210番教室で90分の講義を担当しました。最前列には山本学長、和田副学長、大矢副学長が陣取っています。講義がスタート、受講生は2年生を中心に商大生300人。宮城支部の及川支部長、小笠原副支部長、福田事務局長のほか、金融関係の商大卒業生も聴講されました。
    • 最初のテーマは「被災地の現状」。宮城県の津波被災地の映像がつぎつぎにスクリーンに映し出されて説明がありました。学生の皆さんも真剣です。私語はまったくありません。次にリスク管理面から、震災にどのように準備・対応してきたか、災害マニュアルを越えた震災の諸課題にどのように対応したか、何を反省すべきか、経験を踏まえた講義は続きます。最後に金融機関の復興支援について、被災者とのリレーションシップの拡充、外部機関との連携強化の2つの視点から、震災後1年を経過した被災地の現状を交えて講義がありました。
    • 最後に緑丘会宮城支部の紹介があり、「被災地に足を運んでくれる商大生には、宮城支部が全面的にサポートする」と尾形副支部長。教室全体から大きな拍手が起きました。
    • 講義終了後に、学長室で山本学長、和田副学長、大矢副学長と宮城支部が懇談し、「被災地の現場の声は、やはり強い説得力と迫力があった」との評価をいただきました。今回の講義は、講義録が作成されるとともに、他講義を含めてテキスト本として出版される予定だそうです。また、商大生の復興ボランティア団が、今年東北へ派遣されるそうです。
    • 商大は来年度も本講義を開講予定であり、宮城支部は継続して協力することを快諾するとともに、現在準備を進めている商大生の被災地ボランティア団の受入サポートも約束しました。
    • 東日本大震災は、私たちの宮城県に余りにも甚大な被害と理不尽で深い悲しみを与えました。しかし、そこから復興に向けて立ち上がる過程で、望外にも母校・小樽商科大学との連携を深めていける機会が生まれたことは、被災地で頑張る商大卒業生に大きな励みになるものと確信しています。