第07回 危機管理が機能しない

政治家たちの無神経さ

福田 和弘(昭和50年卒)

全く情けない状況劇場が、今の国会・永田町に存在している。

東日本大震災の復旧・復興を急がなければならないさなか、与野党の国会議員達は「菅降ろし」を公言して憚らない。震災対策が政治の面で奏功していない責任を、どのように菅直人にとらせるかの議論である。

確かに「危機管理」の面での菅政権はどうしようもなく無能であるが、被災地の国民は、選択責任を感じながら、政府の支援を今か今かと待ち望んでいる実態が現実にあるのだ。

ここは「菅降ろし」の議論はしばらく封印して、この日本の難局に立ち向かわなければならない。

一方では、温度差はそれぞれあるが、被災地の県知事たちは、各々の県民を守るために陣頭指揮で 復興の足掛かりを担おうとしている。

特に宮城県知事の村井氏は、自民党の県議からの出身で、元は防衛大あがりの自衛官であり、それゆえ危機管理はある意味ではプロフェッショナルではあるが、菅政権に必死に陳情し、震災復興会議では矢継ぎ早に建設的な意見を提案し、宮城県の復興に邁進している姿は政治家として大いに評価すべきである。

地方の長が、自分の県民と県土を守ろうとそして復興しようと必死に努力を続けているとき、国政をつかさどる政治家達は与野党に拘わらず、公然と「政局」を語るのは如何なものであろうか。

ここはまず復旧・復興がなるまで粉骨砕身努力をして欲しいものだ。そしてその後、検証を議論する段階で責任論を展開するのが順序ではないだろうか。

今日本は国の存亡がかかっている位の危機である。国が存在しなければ、彼ら国政をつかさどる政治家も存在できないにもかかわらず、今の彼らの行動は誠に奇異にさえ感じる。

そろそろ復興のための挙国一致の政権の話が議論されても良い頃だと思うが、野党の自民・公明が提出すると言われる、菅政権の内閣不信任案に賛成か否かで与党の民主党もぶれているようだ。

特に小沢なんかは「菅降ろし」を公言して憚らないのは情けない限りである。せめて与党の民主党くらいは、挙党体制で菅内閣を支え切り、この難局を切り盛りしなければならないのではないかと思う。そして復興が成った時点で、国民に信を問う技量が有ってよいと思う。

復旧・復興のため政治のスピ-ドが一番大事な時である。

「内閣不信任案」など棚上げして、与野党が一致団結して、日本のこの危機的状況を乗り越えなければならない時である。

これが成って初めて「検証」ということで議論し、政権の危機管理の在り方を含めて「責任論」を問わねばならない。

確かに現在の政治が不毛だから「危機管理」が出来ないのだろうとは思うが、いずれにしても国民が持つ政治への閉塞感は、ますます強まるばかりである。