第102回 仙台試験場プロジェクト

大学と緑丘会の高校訪問を再開

【プロジェクト1日目】

コロナ禍で中止していた商大仙台試験場プロジェクト、ついに再開です。小樽から鈴木副学長が来仙され、仙台緑丘会との仙台市内の主要高校訪問を2年ぶりに実施しました。第1日目(2021年9月15日)は当会の及川副会長が同行。仙台第一、仙台ニ華、宮城第一、仙台向山、仙台南、仙台東の6校を訪問しました。

当方は全員がコロナワクチン2回を接種済。それでも高校側から訪問を嫌がられるのではないかと憶測もしましたが、北海道からわざわざ訪問されたことに、各高校の先生から感謝の言葉が寄せられ、たいへん好意的に迎えていただきました。

仙台一高では英語担当の若い進路指導の先生とご面談。外国語教育と実学が融合する商大の伝統の教育方針を高く評価いただきました。語学はそれを活かす実学があってこそ価値があると話されておりました。

仙台ニ華では前回と同じ進路担当の先生と今回で3回目のご面談でした。当会が訪問を開始してから、商大に志願・合格した生徒さんがいたそうです。残念ながら進学には至りませんでしたが、商大は旧帝大と同じ試験科目であり、しっかり準備した生徒が臨める大学だと話されていました。

仙台向山は2年連続で商大への進学者を輩出。先生との信頼関係もさらに深まったと感じました。進学した生徒さんは生徒会長を務めたリーダーシップのある生徒さんだったとのこと。優秀な生徒さんが商大入学を果たしてくれたことを心強く感じました。

宮城第一、仙台南、仙台東はまだ受験者はいないものの、たいへん前向きに先生方と面談。訪問した高校に共通することは、先生方もコロナ禍で進路指導にたいへん困惑されていることを感じました。高校訪問を再開することに最初は不安もありましたが、私達の想像以上の好反応であったと思っています。


【プロジェクト2日目】

プロジェクト2日目は、鈴木副学長と当会・小笠原副会長と及川副会長が、仙台北部の進学高校を訪問。仙台商業、泉、仙台第三、宮城野、ウルスラ英智の5高校を回りました。

仙台商業からは今春1名が商大へ進学を果たしました。進路担当の先生は、実力のある生徒にぜひ商大進学を進めたいとのこと。しかしながら、2025年以降の共通テストからは、受験生減少に伴う合理化策として、「簿記・会計」が廃止されることに強い不安をもたれており、「商業高校と普通高校では授業カリキュラムに大きな違いがある。優秀な生徒が進学できるよう推薦入学などを拡充してほしい」との要望がありました。

2年ぶりの高校訪問を通じて、仙台では生徒さんや親御さんの地元志向がさらに強まっていると感じました。地元私学の東北学院をはじめ、仙台から高速バス1時間で通学可能な山形大へのニーズがさらに高まっていました。そうした中でも、仙台三高では、生徒さんの視野を広めるため、全クラスに商大入学案内を備えたいとのリクエストがありました。

また、今回面談した進路指導の先生は英語担当の方が多かったことも特徴。高校英語教育では、生徒が将来、IT分野など実学で活かせる英語指導のあり方を模索されているとのこと。しかしながら、先生方の多くは文学部出身であり、教えるにも商学や経済などの実学の背景が十分ではありません。商大の伝統である実学と語学に重点を置いた教育方針、多彩なカリキュラムに強い共感をもたれ、「私自身が小樽商大で学び直したいくらいです」と真剣に語っていただきました。高校英語教員の学び直し機会を提供する、これこそ商大にしかできない強みになるかもしれません。

さて学校の移動の途中、仙台出身で商大卒2年目のOG・星さんが勤務する高級車ディーラーを訪問。コロナ禍で奮闘・成長する若き卒業生の姿に接し、とても心強く感慨深いものがありました。母校の副学長が若手卒業生の職場を訪問する。わが母校はやっぱりいい学校だと思います。夕刻からは反省会。参加者全員が既にワクチン2回接種済み。宮城県の感染防止ルールを徹底遵守して、1年半ぶりの再会を実現できました。