第14回 震災を乗り越えたウェディング

福田 和弘(昭和50年卒)

私事で恐縮だが、今月11月に愚息が結婚することになった。

本年2月に婚約・結納を済ませ、7月には結婚披露宴を計画していた矢先、3月11日の忌わしい東日本大震災に見舞われた。嫁の実家は、沿岸の宮城県多賀城市大代地区であり大津波で被災した。家屋の流失は免れたものの、一階部分が水に浸かり、解体を余儀なくされている。

震災後、嫁の家族は、携帯電話で安否確認は出来たものの避難所生活を余儀なくされ、おまけにどこの避難所にいるものか不明であった。3日間、愚息と嫁が捜してやっと見つけ、現在、私どものアパ-トで生活再建に向け準備を進めている。

仙台市泉区にある披露宴会場のホテルも被災した。当初、7月の披露宴の予定が9月へ変更となり、さらに11月へ延びて、やっと今月その運びとなった。

この間、ホテルの親会社である緑丘同窓の合場直人氏(昭和52卒三菱地所常務執行役員)には色々とご配慮を頂き、感謝申し上げる次第である。

また、披露宴後の新婚旅行は、嫁のケアも兼ねてハワイにと思い、やはり緑丘同窓・同期(昭和50卒)の小笠原一雄氏(介護ヘルパ-付き個人旅行の会社(株)旅日記 経営)に色々と面倒を掛け、21日出発で出かけることになった。

大震災後、被災地のあちこちで結婚式が無事に挙行されたことが話題になった時期があり、被災者の心のケアとなった。僭越ながら、私共の結婚式もその一助になれれば良いがと思う。

しかし、政府の被災地復興のための予算が遅れに遅れて成立し、早くてもその効果は年末から表れるとのこと。被災者はどれだけ心待ちにしていただろうか。

それにしても小樽商大の同窓のサポ-トはつくづく有り難いと思う次第であり、愚息夫婦の幸せと被災地の復旧・復興が一日も早くなることを願わずにはいられない。