第12回 仙台七夕まつりの開幕を迎えて

福田 和弘(昭和50年卒)

有難う自衛隊 宮城県庁での撤収式に思う

少し前、政治の世界で各々の政党が自衛隊の違憲論・合憲論を賑やかしく議論した時代があった。

今般の東日本大震災における自衛隊の寝食を惜しむ活躍を見ると、かつての国を二分するような議論の展開は一体何だったのだろうと思う。今般の大震災で「国家の危機は戦争だけではない」と日本国民の過半は知ることになった。

国家の危機管理に自衛隊の存在は絶対に必要だと思う。被災地で大活躍をしてくれた自衛隊に、多くのことを学ばせてもらった。「国を守る」という大きな義務である。

今の日本は「国壊れて山河もなし」の状態である。「復旧」「復興」が叫ばれて5ヶ月が経ったが、自衛隊の活躍で「復旧」の道筋はようやくだか見え始めてきている。今、我々は「有難う自衛隊」という気持ちを心の根底に持ち、国土の復興に「義務感」を持ちながら、一人ひとりが立ちあがる時期だと思う。

被災地選出の国会議員の発言

やはり国政を任せるべきではなかった。先般の地元宮城県選出の某国対委員長の暴言である。彼は被災地の宮城5区が地盤の国会議員である。

宮城県知事や石巻市長、女川、南三陸の首長が、国の復興予算が遅れている中で奮闘しているのに水を差す発言である。今回の東日本大震災の被害は、到底、地方自治体の予算規模では太刀打ちできない状況であることを一番わかっていなければならない代議士である。如何に彼が現地に入っていないかを露呈した発言である。

前復興大臣松本衆院議員と同じである。本当に情けない話である。被災地の首長達は寝食も忘れて、がれき処理や仮設住宅の調達に追われている。その行動を労う発言ならともかく、まさに足を引っ張る言動である。

今日から仙台七夕が始まる。復興への祈りを込めた鎮魂の静かな祭りである。今年は恐らく全国から激励のために例年以上の人出となるであろう。静かな祭りが、胸に熱い思いを抱いた人たちで被災地仙台は溢れるだろう。

某国対委員長の発言は、このような想いで溢れた人たちの気持ちをも傷つけてしまった。

七夕の短冊に願いを込めて「復興と鎮魂」の祈りを書き込むと同時に、早く政権が機能することによって、復興への道筋をつけてくれることを祈らずにはいられない。