令和2年度 エバーグリーン講座

藤武哲郎さん

(昭和57年卒 秋田県醗酵工業社長)

コロナ禍のもと母校・小樽商科大学は、下期から対面講義を一部再開し、オンライン授業と合わせてカリキュラムを運営しています。このような中、エバーグリーン講座が開講し、本年度は仙台緑丘会推薦の藤武哲郎氏(昭57卒、秋田県醗酵工業代表取締役)が2020年10月21日(水)、母校教壇に立たれました。

藤武氏は、佐賀県から商大に進学。智明寮では寮長を経験し、応援団で活躍。卒業後は合同酒精(現オエノングループ)に入社され、現在はグループ会社である秋田県醗酵工業の社長の要職にあられます。

テーマは「地方企業による地域活性化への取り組み 」。講義の冒頭で、 持株会社オエノンホールディングスの西永祐司社長も同窓生であるなど多くの商大卒業生が活躍している企業であること、そして酒類業界を取り巻く昨今の経営環境などについて解説がありました。

藤武氏が指揮を執る秋田県醗酵工業は、県央の湯沢市にあり、 ビール以外の酒類を製造しています。マスコミで報道されているとおり、秋田県は人口減少・高齢化率が全国トップ。地域の活性化は喫緊の課題となっています。

同社も地元企業として、産学官プロジェクトに参画し、秋田杉葉を使用した爽やかな風味の「秋田杉GIN」を開発。また、秋田産のリンゴや塩などで造るご当地チューハイ「秋田サワー」も開発し、いずれも完売になるなど好評を博しています。

このほかにも地元飲食店へのサポート、女性職員の地域活動プロジェクト、地元酒蔵4蔵合同イベント開催のほか、最近ではコロナ対策用の消毒用高濃度アルコールを地元医療機関に無償提供するなど、その取り組みと貢献は多方面におよんでいることが紹介されました。

当日は商大講義室での受講者を定員の3分の1に制限しての対面授業でしたが、受講した学生からは アルコール市場の先細り対策や企業ブランド、そして大学時代にいかに学ぶべきかなど多彩な質問が寄せられました。

藤武氏からは「コロナで商大生活も大きく様変わりし、たいへんな最中にあるが、できるだけ多くの人たちと出会ってほしい」と現役商大生へ応援エールが送られました。

画像出典:秋田県醗酵工業ホームページより