第12回 【商大100周年記念】

「海陽亭余談」智明寮大宴会 宴のあと

小笠原 一雄(昭和50年卒)

    • 時は平成23年7月9日土曜日。 外はまだまだ陽が高いが、元商大智明寮の寮生が140余名集まった大宴会が始まった。 所は、小樽住吉町は現存する道内最古の老舗料亭「海陽亭」二階、「明石」の間。 智明寮・開寮当時の昭和36年入寮から、廃寮に近い昭和54年入寮までの、 かつて紅顔の美青年だったはずの面々が集い、昔を思い出してはよく酒を酌み交わす。
    • 陽も暮れようとする少し前、招待の北大元応援団が口上を切り「水産放浪歌」が浪々と始まった。 それに答える形で、次に我らが「若人逍遥の歌」が絶叫される。 若かりし頃、智明寮生時代の残像がそこらかしこに浮きまわる中、 商大応援団史上初の女性団長、牧応援団長のエールで宴は閉じた。
    • さて、実はこの宴会には、老舗料亭の雰囲気に合わせた華を添えようと、 3人の芸者衆に御出で願った。 既に小樽にはお座敷で芸を披露できる芸者衆はいないとのことで、 わざわざ札幌からの来樽である。 花柳界の芸者衆でも、ついぞ最近、世間を騒がす噂話には疎くない。 芸者衆の出番が終わり、海陽亭の一階で、こちらは出番を待つ牧応援団長を見つけるや否や「キャーあ、小樽の応援団長でしょ! 素敵~!! 会えて嬉しい~!!!」 と芸者衆は無理やり牧応援団長に抱きつき、ハグまでして撮ったのがこの写真である。
    • もちろん、牧応援団長は女性なので、同じ女性に囲まれても面白くはないかもしれないし、応援団長ゆえに、人前ではニヤケタ顔もできない。
    • 全ての寮生が退亭した後、海陽亭の玄関で、牧応援団長は毅然とした顔のまま高下駄をはき、無言で立ち去ろうとした。その背中に飛んだのが、写真にも写っている海陽亭の女将の檄である。「今度は男を連れて来なよ・・」 牧応援団長が一瞬止まったように見える。そして女将はさらに続けた。「あんたよりも強い男をね・・・・・・」 こちらから背中越しには見えないが、牧応援団長がちょっと、にっこり微笑んだような気がした。