第25回 わが寮歌が最高だ

仙台寮歌祭の伝統は今へ

昭和36年卒 斉藤 宏

かつて仙台では毎年夏に「仙台寮歌祭」が開催されていました。年に1度、戦前の旧制高校・旧専門学校で青春時代を過ごした紅顔の若人たちが一同に集い、肩を組んで寮歌を歌い、若い情熱を再燃させておりました。

この「仙台寮歌祭」には、緑丘会宮城支部も「小樽高等商業学校」として毎年多数の会員が参加しておりましたが、第30回を迎えた平成9年をもって惜しまれつつ終了しました。

当時、小樽高等商業学校の実行委員として大会運営に尽力されてた斉藤 宏さん(昭和36年卒)より、事務局に当時の貴重な資料・写真をご提供いただきましたのでご紹介いたします。

わが寮歌が最高だ 斉藤 宏(仙台寮歌祭パンフレットより)

長万部駅で買った毛ガニを昼メシがわりに、となり地元の人に食べ方を教えられながら、新聞紙を広げて、ていねいに食べ終わる頃、羊蹄山の雄姿を右に見ながら倶知安町をすぎ、余市町近くなり、小樽海岸が見えてくる。

やっと小樽着だ。そわそわしながら、少ない荷物をまとめだしたあの時と、毎年、8月の寮歌祭の当日が近づいてくる時のあの気持ちが、私には似て感じられる。

夜行列車に飛び乗って仙台を去る。途中、何回も急行に追い越されながら、あおむけになって文庫本を薄暗がりの中で読みながら、二十時間以上もかかる旅だった。途中、青函連絡船に乗り換える。余計な時間がかかるけど、デッキでの、内地米を北海道に運ぶ「カツギヤ」のたくましいカアチャン達との交渉は、すばらしいものであった。

小樽高商・小樽商大は、1学年200名以下の小所帯であったが、4つの寮があった。他寮の歌はよく歌えないけれど、自分たちの寮歌が一番いいと、みんながそれぞれに思っている。

テレビに小樽が出ると、寮歌を思い出し、口ずさみ、青春の楽しかったこと、苦しかったこと、仲間達のことが、走馬灯のようにかけめぐる。一生同じ思いで自分達の寮歌を歌い続けることだろう。

宮城支部の「小樽高商・羽織袴」を商大応援団へ寄贈

最後の寮歌祭から14年が経過した23年7月、緑丘会宮城支部は、小樽商大創立100周年に合わせて、 支部で大切に保存していた「小樽高商・羽織袴」を小樽商大応援団へ寄贈いたしました。

この羽織には小樽高商の校章が記されており、また、袴は仙台の伝統絹織物「仙台平」を使用した伝統工芸品であります。間接的にではありますが、仙台寮歌祭の30年間の伝統を、復活した小樽商大応援団に継承いただいたことに深く感謝しております。

宮城支部では、今も仙台寮歌祭で使用していた小樽高商・校旗を大切に保存し、支部総会・新年会では必ず掲げています。