「BC級戦犯の遺族による慰霊の旅」

投稿日: 2012/09/09 8:59:14

橋本和正さんNHK「お好みワイド」に出演

9月6日夕方、NHK広島の「お好みワイド」で「BC級戦犯の遺族による慰霊の旅」が約10分放送されました。この番組は、広島県労働者学習協議会(労学協)理事の橋本和正さんが8月11~18日、「東南アジアに日本の戦争の傷跡を訪ねる旅」で高嶋伸欣・琉球大名誉教授らとともにマレーシアを訪ねたのを杉浦圭子アナウンサーがインタビューしたものです。

橋本さんの叔父・忠さんは、広島の第五師団歩兵第11連隊の小隊長として太平洋戦争開始時のマレー半島への上陸作戦、その後のシンガポール攻略作戦に参加します。そして1942年にマレー半島のネグリセンビラン州に警備隊として駐屯、そのとき軍の命令で中国系抗日分子、共産党分子に対する掃討作戦を行い、スンガイルイ村での368人虐殺の責任が問われました。その結果、BC級戦犯として1948年に処刑(享年29歳)されます。

橋本さんはこの事実を知り、愕然とする一方で「事実はきちんと受け止めなければならない、事実から目をそらしていたのでは私自身の責任が問われるように感じる」「英語で責任にあたる言葉はresponsibility。これはresponse=応答とか、反応とかを語源としているそうだ。それならば、私は戦争の被害にあった多くのアジアの人々の声にresponse=応答していきたい」と話しておられます。放送でも「皆さんの声にこたえて戦争をなくし、そして平和な社会をつくるために」の文字が映し出されていました。

スンガイルイ村で虐殺された住民の甥、林さん(元村長)とともに慰霊碑に参拝、不戦の誓いを新たにしながらの「慰霊の旅」でした。

橋本さんは『軍都廣島』(一粒の麦社)に「マレーシア・シンガポール日本占領下の住民虐殺」で、この間の経過を紹介しています。