NO.262 反骨爺のつぶやき 高村よしあつ

投稿日: 2018/03/27 9:12:16

モリ・カケ疑惑の追及を逃れるため、アベ首相のおこなった解散・総選挙がおわった。いったいこの選挙は、日本の政治に何をもたらしたのだろうか。

安保法制=戦争法から2年、共産党の共闘による「国民連合政府」の提案は、共産、民進、社民、自由の4野党と市民の共闘を作り出し、参院選では全国32の一人区のうち11の選挙区で勝利し、新潟知事選挙、仙台市長選挙でも、勝利した。アベ自公政権は、市民と野党の共闘が進めば、自分たちに未来はないことを知った。

そこで、アベ首相は抜き打ち解散に打って出ると同時に、希望の党を立ち上げ、民進党を丸ごと引き抜くことで野党共闘を分断し、あわよくば保守2大政党で政権を握り続けようとした。志位委員長は、民進党の合流は「重大な背信行為」であると批判し、勇気をもって共闘の道を進もうと訴えた。直後に枝野代表代行が立憲民主党を立ち上げ、それを受け市民連合は共産、立憲民主、社民の3野党と新たな共闘態勢を確立した。

結果は、自民・公明が小選挙区と野党分断で議席の3分の2を占めたが、希望の党と民進党は混迷を深め、野党共闘勢力は立憲民主が野党第1党に躍進し、3野党は38議席から69議席へと前進した。志位委員長は、「見返りは民主主義」といって、67の小選挙区で候補者を取り下げ、野党共闘の前進に全力を尽くし、12議席を獲得した。辛淑玉氏は「もてるすべての力をあわせて、野党共闘を走り抜き、立憲民主党を野党第1党として世に送り出した」として、「共産党のたたかいは見事であった」と語っている。

アベ政権の狙いは失敗した。民進党は分裂したが、市民と野党の共闘はしっかり力を蓄えている。北海道では、12選挙区すべてで統一候補が実現し、5選挙区で勝利した。新潟では6小選挙区中4選挙区で自民党候補が敗れた。市民と野党との新しい共闘が、新しい時代を切り開きつつある。