NO.284 反骨爺のつぶやき 高村よしあつ(顧問)

投稿日: 2019/09/24 4:19:45

今回の参院選は、史上2番目の低投票率だった。まだ「政治が変わるとは思えない」との理由で棄権する人も多かったのであるが、いよいよ次の衆院選では、アベ政権に取って代わる野党連合政権構想をを打ち出し、「政治を変える」気迫を示すべき時がきた。

その連合政権の政策的基盤は、参院選での、市民連合と5野党・会派の13項目の「基本政策」ですでに示されている。問題は、対米従属を生みだす安保条約であり、13項目にも安保は含まれていない。

しかし、トランプ大統領のもとで、安保の役割に大きな変化が生じてきている。トランプは、「俺は中国と関係強化に努める。お前は万が一のため、中国敵視政策を続けていけ」として、東アジアから部分的に撤退を図り、その肩代わりを自衛隊に努めさせ、自らは後方に控えて「アメリカ第一」の地位に安住しようとしている。そのため、イージス・アショアの購入、護衛艦「いづも」の空母化、垂直離着陸のF35Bの爆買いなど、自衛隊に最新鋭の軍備を押しつけ、ホルムズ海峡の防衛のための「有志連合」へ自衛隊を参加させようとしている。

トランプの政策転換で、これまで米政府に安保政策を提言してきたアーミテージ・ナイ報告書は、今回「アメリカ第一」によって基地の前方展開や安保に疑問を提示するトランプから排除され、トランプ政権と対決するに至っている。

今、日本とアメリカとの間には、安保をめぐって、これまでには存在しなかった矛盾が生じている。そもそもトランプの言うように、自衛隊はアメリカを守るためにあるのか、それともアベ首相の言うように、在日米軍は日本を守るためにあるのか、の矛盾である。私たちは、この矛盾を利用し、「アメリカを守る安保は日本のためならず」のキャンペーンを強めて、安保への関心を高めねばならない。