NO.255 反骨爺のつぶやき 高村よしあつ

投稿日: 2018/03/22 5:26:36

野党共闘による野党連合政権が、次第に当面の政治課題になりつつある。いささか古いかも知れないが、思い出すの1970年11月のチリ人民連合政府の誕生である。

アメリカの新植民地主義と軍事支配のもとで、ラテン・アメリカは長い間「アメリカの裏庭」とされてきた。その「裏庭」で、進行する民族解放闘争の高まりの中で、ついにチリで人民連合政府が誕生したのである。チリ人民が「人民連合」という統一戦線を結成し、選挙によって政治を変えた、という事実は、日本人民にとっても他人事ではなかった。

それから34か月、アジェンデ政権は、支配層が立法・司法機関、軍隊に力をもち続けるなかで、労働者・国民を団結させ、「人民連合」綱領の線にそって、銀行の国有化、土地改革などをすすめ、73年3月の議会選挙で人民連合は43%をとって圧勝した。

アジェンデ大統領と人民連合は、繰り返し「軍隊は制服を着た人民である」と主張し、軍隊も「専門職主義」・「立憲主義」を主張してきたが、アメリカは、もはや合法的手段ではアジェンデを倒すことはできないとみて、73年9月ピノチェトを先頭に軍事クーデターを敢行させ、アジェンデ政権を崩壊させた。

国民と自衛隊員との連帯の必要性は、日本でも同じである。2015年9月の安保法制強行採決は、自衛隊員を殺し、殺される海外の戦争に参加させてはならないとする戦争法に反対し、立憲主義の回復を求める運動を大きく広げた。最近の国会デモのコールは「安倍晋三と稲田朋美から自衛隊員を守れ」となっており、安倍首相も国民の声の広がりの前に、南スーダンからの自衛隊撤収を決めざるを得なくなった。自衛隊員は「わが国の平和と独立を守る」とする服務の宣誓をして自衛隊に入隊している。野党共闘と自衛隊員との連帯は、これからますます重要になってくる。