NO.279 反骨爺のつぶやき 高村よしあつ(顧問)

投稿日: 2019/05/22 8:47:31

大阪維新の会が、2015年5月に反対多数で否決された「大阪都」構想を、もう一度住民投票にかけようと、4月7日投票の大阪府知事、大阪市長に、候補者入れ替えのダブル選挙という奇策を弄しようとしている。さすがにこの党利党略に対しては、世論調査でも、ダブル選挙は「支持しない」が48・3%、「指示する」が27・0%という結果が示されており、自民党はいち早く府知事、市長に対立候補を立てることを決めた。

では、ダブル選挙は維新の会と自民党の間でたたかわれることになるのか、と思われていたところ、3月18日、日本共産党は「『大阪都』構想ストップ、維新政治を終わらせる」立場から、自民党の府知事、市長候補を、自主的に支援すると発表して、世論を驚かせた。

「大阪都」構想には、本質と現象がある。本質とは、都知事に財源を集中して、破綻を繰り返してきたベイエリアに950億円もつぎ込み、カジノと大阪万博を一体で推し進めようという構想であり、現象とは、大阪市を解体し、地方自治を破壊するという構想である。日本共産党は、二人の自民党候補者が「都」構想にストップをかけようとしていることに着目し、府民の願いに応えて、現象面での一致にもとづき、自主的支援を表明したのである。

こうして日本共産党は、地方選挙では「カジノよりも暮らしの安心、希望を」として、「都」構想への本質的批判をしながら、他方首長選挙では「大阪都ストップ、維新政治転 換を」として、新しい共闘を実現し、府民の要求に応えることになった。ここには、一 点共闘を積み重ね、共闘の政策的な枠組みを拡大し、ついには7月の参院選で野党共闘を実現しようとするに至っている共闘拡大の教訓が生かされている。それは、一致点はなにかを模索し、その一致点での共闘を進め、一致点を拡大するという教訓である。