NO.273 反骨爺のつぶやき 高村よしあつ

投稿日: 2019/01/15 7:45:28

2008年9月、リーマン・ショックによって、100年に1度と言われるほどの世界的大恐慌となった。マルクスは『資本論』のなかで、資本主義のもとで恐慌は繰り返し再生産されると主張したが、事実1825年のイギリスの恐慌以来、恐慌あるいはそれに匹敵する世界的大不況が、ほぼ10年の周期で世界資本主義を襲い続けている。その10年が早くも到来している。

アメリカ金融資本は、ドルが基軸通貨であることを利用し、大規模な金融緩和と緊縮政策の押しつけで、嵐のように新自由主義を全世界に振りまいた。その結果、各国の雇用は歴史的な落ち込みとなり、全世界で、一挙に中間層がやせ細り貧困層が増大した。

ことの発端は、アメリカ金融資本による、サブプライムローンという、「毒饅頭」の販売だった。頭書から破綻することが明確な金融商品に、安全・安心の色を付け、世界中にばらまいた結果、破綻したのである。しかも、アメリカ金融資本は、そうした金融政策に根本的にメスを入れるのではなく、小手先の対策で、もう1度通貨・金融危機を招こうとしている。

これに対し、2011年の「オキュパイ」運動から、「格差と貧困」をもたらした新自由主義に反対するたたかいは、全世界で大きく広がっている。アメリカの民主党内で、「民主的社会主義者」サンダース派が引き続き前進し、ヨーロッパでも、イギリスの「社会主義者」コービンを党首とする労働党が躍進。スペインでは、緊縮政策に反対するポデモスが政権政党とと合意して福祉国家を目指しており、日本でも市民と野党の共闘がアベ政権打倒を目指して結束している。新自由主義のもとで、資本主義の矛盾はかってなく激化している。近未来に到来する再度の金融恐慌に対して、全世界の人民は、新自由主義反対の資本主義を変革する新しい運動を前進させることが出来るのであろうか?