NO.257 反骨爺のつぶやき 高村よしあつ

投稿日: 2018/03/22 5:32:20

県労学協では、昨年の沖縄ツアーに続いて、韓国訪問旅行を企画している。韓国では昨年10月に始まった土曜日の「ろうそく集会」が、数百万人の運動を引き起こし、文在寅(ムン・ジェイン)大統領を誕生させ、新しい国民本位の韓国を目指している。私たちもその運動に学び、日朝両国人民の連帯したたたかいを組織したいと思うからである。

これに対しわが国のアベ首相は、根っからの改憲論者としてこれまで改憲は口にしながらも、その中味には触れないできたが、今回ついに本音をむき出しにした。憲法9条の1,2項はそのままで、あらたに3項を新設し、自衛隊の存在を明記しようというものである。

自民党はこれまで、2項の戦力不保持をかいくぐるために、自衛隊が戦力であることを否定し、「自衛のための必要最終限度の実力組織」とごまかしてきた。そのため、海外派兵や集団的自衛権の行使などはできないという自己規制をせざるを得なかったし、安保法制=戦争法で集団的自衛権を認めながらも、その行使は「日本の存立が危機に陥るような特別の場合」に限定せざるをえなかった。今回の9条改憲発言は、2項の戦力とは別のものとして自衛隊をとらえ、2項を空洞化させて自衛隊の歯止めなき海外武力行使に道を開こうというものである。

憲法前文には「そもそも国政は国民の厳粛な信託によるもの」として、国民主権原理を明記している。しかも9条の維持を求める国民の認識は、アベ政権が安保法制=戦争法を制定するのに反比例して、一路増加し続けている。にもかかわらずアベ発言は、国民との対話を否定し続け、2020年の改憲施行といっている。となれば、96条の国会発議はさらに直近の課題となってくる。いよいよ大勝負である。いまこそ立憲主義回復の国民世論をすべて結集し、安倍政権打倒のたたかいに立ち上がらねばならない。そこに、県労学教が「ろうそく集会」に急いで学ばねばならないと考える理由がある。