NO.289 反骨爺のつぶやき 高村よしあつ(顧問)

投稿日: 2020/02/26 4:06:21

新年早々、世界の本流に立って、日本の豊かで壮大な未来を切り開こうとする、日本共産党の第28回大会が開催された。野党各党が登壇して、野党連合政権に向けて大きく昂揚した大会となったのが、印象的であった。

前号の「反骨爺」で、党大会での綱領改定案に関し、中国を「社会主義をめざす国」から除外するのは当然だが、それに止まらず、戦争か平和かをめぐる階級闘争において、米・ロ・中国の3カ国は、現代の核戦争勢力になっている、との問題提起をした。

この点にも関連し、志位委員長は、「中国をどういう経済体制とみているか」との質問に対し、個人として見解を述べるのは自由だが、政党として特定の判断をすることは内政問題への干渉になり得るとして、論評を控えた。

1978年の「改革・開放」以来、中国は市場経済を導入して、外資を導入し、深圳・アモイなどの経済特区を設けて、急速に経済を拡張してきた。2011年には、GDPで日本を追い越して世界第2位となり、アメリカと肩を並べる超大国となった。それと歩調をあわせるかのように、軍事大国への道を歩み、ウイグル族や香港の人民を抑圧し、「大国主義・覇権主義」へと傾斜していった。他方では、この間の経済成長は、都市と農村、沿海部と内陸部の貧富の格差を著しく拡大していった歴史でもあった。

個人的見解とすれば、中国は、一党支配体制のもとでの国家資本主義ではないかと思う。10数年前、県労学協は中国の江西師範大学と学習交流をしたが、その際現地の中国人が「政治は社会主義、経済は資本主義」と語っていたのが忘れられない。アメリカと中国は、2大資本主義大国として、世界を2分して支配しようとしているのではなかろうか。中国の「大国主義・覇権主義」とは、資本主義大国としての帝国主義的表現ではないかと思えてならない。杞憂となることを期待するのみである。