NO.283 反骨爺のつぶやき 高村よしあつ(顧問)

投稿日: 2019/08/26 7:10:46

日本の命運を占う参院選挙は、新しい時代を切り開く結果となった。アベ首相が全力を注いだ改憲の動きは、改憲発議に必要な3分の2割れとなり、改憲策動に痛打を与える結果となった。朝日の世論調査では、43%が「良かった」と答え、アベ首相に一番力を入れてほしい政策として「社会保障」が38%と最も高く、「憲法改正」はわずか3%に止まっている。

この結果を生みだしたのが、野党統一候補の善戦であった。とくに東北6県では、一議席をめぐって、アベ首相、菅官房長官が重点区として現職支援に何度も応援に入ったにもかかわらず、新人の野党統一候補が4県で逆転勝利して、東北旋風を巻き起こした。それだけではない。32の一人区では、野党統一候補が改選2議席から、実に10議席へと躍進し、32のうち実に29区で、統一候補は4与党比例票合計を上回った。国民は、野党統一候補の未来に、新しい時代への期待を寄せたのである。

問題は、次の衆議院選挙である。今回は、5野党・会派と市民連合との間に、9条の「改憲発議を許さない」問題を含め、13の基本政策で合意が実現し、32の一人区のすべてで野党統一候補が実現した。その土台の上に衆院選挙が始まる。衆院選の選挙区はすべて一人区であり、しかも首相指名の優先権を持つ政権選択をする選挙である。立憲民主の枝野代表は、「5野党・会派の連携をさらに強化し、次の総選挙では政権選択を迫れる状況をつくっていきたい」と語っている。参院選をわかした「れいわ新選組」も、新しく野党共闘に加わり、政権選択を加速させることになるだろう。市民と野党の共闘は、さらに大きく発展しようとしている。

日本の政治は重大な局面に入り、これまでの市民と野党の共闘は、いよいよ野党連合政権を求める統一戦線の段階に突入しようとしている。共闘の要である日本共産党の役割が、一段と強まる状況となってくる。