NO.278 反骨爺のつぶやき 高村よしあつ(顧問)

投稿日: 2019/03/22 1:18:48

「オール沖縄」の県知事選挙に続いて、沖縄の明確な民意を示したいとする辺野古米軍新基地建設の県民投票、またもや72%の人々が反対するという圧倒的世論が示された。アベ政権もアメリカもこの結果を無視することはできない。辺野古埋立ては廃止し、普天間基地は無条件に返還させるしかない。

アベ政権はこうした結果となることをおそれて、石垣、宮古島、宜野湾、沖縄、うるまの5市長に、県民投票への不参加を表明させた。そうなれば、県有権者の約3割が投票できない事態が生じることになり、沖縄の総意が示せなくなる。

これを打ち破ったのが、またもや「オール沖縄」の力であった。市民は対話をつうじて「投票権の権利を奪うな」の声を広げに広げ、市長に届けた。この対話による世論の高まりのなかで、県民投票を「賛成か、反対か」の2択から、「どちらでもない」を加えた3択とする条例改正がおこなわれ、「賛成か反対か」の対立物の統一としての真理である3択に対し、5市長も参加表明することになった。

人間は、他の動物と異なり、言語というコミュニケーションの手段を持ち、言語で対話することによって人間関係を築いてゆく。対話により、人間相互の間の不一致点を克服し、真理に向かって前進し、人と人との結びつきを強める。沖縄で県民投票を2択から3択に前進させ、全県民の投票参加を可能にしたのも、「オール沖縄」の対話であったが、「オール沖縄」そのものも、他ならぬ対話から生まれたものであった。

参院選が近づいてきた。市民と野党の共闘は、対話をつうじて参院選一人区での統一候補実現が進められている。対話は、思想・信条を異にする野党間の共闘を強める力を持っている。今一度、私たちは沖縄県民投票に学んで、対話による統一候補を実現し、さらに市民と野党の共闘を前進させなければならない。