NO.251反骨爺のつぶやき 高村よしあつ

投稿日: 2018/03/22 5:14:22

今回の参院戦で、アベ内閣は衆・参両議院の総議員の3分の2を把握した。念願の憲法改正の発議に必要な議席数を確保したわけである。2016年10月25日には自民党総裁の任期も連続3期9年へ延長し、いよいよその体制づくりも本格化しようとしている。

しかし、国会両議院の3分の2を握ったからと言って、ことは単純ではない。世論調査でも、国民の大多数は憲法は改正すべきではないという根強い世論が存在し、全国に9条の会が存在しているからである。問題は、国会で発議した後の、憲法改正の国民投票にある。アベ内閣は国民投票をどう考えているのだろうか。

自民党の保守本流の何人もの人が、アベ政権の体質を厳しく批判しているが、アベ自民党はもはやかっての自民党ではない。自民党の中の極右を総結集した組織である。それを支えているのが、今売り出し中の「日本会議」である。

俵義文氏の「日本会議の全貌」(花伝社)は言う。日本会議は、1997年5月30日に設立された「全国に草の根ネットワークを持つ国民運動団体」であり、これまで元号法制化や、高校日本史教科書、「慰安婦」問題などを論じてきた。

いま日本会議は、「憲法改正の国民投票2分の1を確保するため、全国の300小選挙区に憲法改正本部を設置し、さらに国民大連合の結成を図り、改憲の『国民賛成行動』を推進する」として、国民投票に焦点を当て、「美しい日本の憲法をつくる国民の会」を結成して全国1000万署名の運動を展開している。

いよいよこれから、水面下で憲法改正をめぐる激烈な階級闘争が始まろうとしている。9条の会も、これまでの成果に安住するのではなく、今一度新しいたたかいに立ち上がらねばならないだろう。国民投票に勝利したとき、日本の新しい未来が始まることは間違いない。