NO.271 反骨爺のつぶやき 高村よしあつ

投稿日: 2018/08/30 4:20:06

自然の猛威が人類を襲っている。 西日本の記録的豪雨のあとは、連日の40度近い酷暑の大攻撃となり、次いで前例のない迷走する大型台風も到来することであろう。20世紀後半からの地球温暖化の主要な原因が、人為的な温室効果ガスであることの確率は9割を超えると評価されている。人類は、この温室効果ガスが気温や水温を変化させ、洪水、干ばつ、酷暑、台風・ハリケーンの激しい異常気象を増加・増強させていることに気付いた。

世界の195カ国を結集する国連は、いまや人類の理性を示す存在となりつつある。国連は1992年の地球サミットをつうじて、1997年京都議定書を採択し、2005年最も大規模な温室効果ガスの削減義務を伴った枠組みを発効させるにいたった。地球温暖化の問題は、人間の尊厳を守るために全地球的な規模での体制が必要であることを示したのである。

しかし、アメリカは化学や石油などの財界・大企業の経済的利益を守るために、2001年態度を急変させ、京都議定書から脱退することを宣言した。日本は、国連世論に引きずられて、2002年国会で京都議定書を承認し、国連に受諾書を寄託したものの、アメリカに追随し削減義務達成にまじめにとりくもうとしていない。

共産党創立96周年記念講演において、志位委員長はアベ政権には「二つの歪み」があるとして、その一つは「異常なアメリカ言いなり」であり、二つは「ルールなき資本主義」であると指摘した。アベ政権が京都議定書の削減計画に背を向けようとするのは、この「二つの歪み」を示すものに他ならない。

テレビでは、酷暑に対して盛んにエアコンを使うようにと宣伝している。しかし、問題とすべきは、「二つの歪み」をもたらした安倍政権を打倒することである。「肝要なのは、世界を変えることである」とするマルクスの言葉が響き渡る。