NO.280 反骨爺のつぶやき 高村よしあつ(顧問)

投稿日: 2019/05/22 8:52:03

天皇の「代替わり」の特別番組がテレビを席巻しているが、今回のいっせい地方選挙の投票率の低さこそ最大の問題であり、日本国民が政治に絶望していることを示している。マスコミは、アベ首相のうそと隠ぺいの強権政治を批判しても、安倍政治をやめさせる市民と野党の共闘に本気で目を向けようとしない。

注目すべきは、衆院大阪12区補選である。7月の参院選に向けて、市民と野党の共闘は、年頭から繰り返し、32の一人区に野党の統一候補を建て、安倍政治を転換することを合意してきたが、ここまで愛媛と熊本で実現したのみであった。12区補選も自民、維新、無所属の3氏が準備を先行させていた。そこに、告示9日前になって、宮本たけし共産党衆議院議員が、無所属で立候補し、市民と野党の統一候補としてたたかうことを宣言した。

この呼びかけに、日本共産党を始め、自由党と社民党が賛同し、立憲民主党、国民民主党の代表も激励に駆けつけ、日々野党の共闘が燎原の火のように広がり、全野党と1000人を超えるボランティアが結集した。これまで、市民と野党の共闘は、統一候補選びに難航してきたのに対し、宮本氏の決断は、「俺がやってやる」として、市民と野党の共闘の大義の旗をかかげ、「安倍政治サヨナラ」の新しい共闘を一挙に造り上げたのである。市民連合は、この選挙により、参院選では「政治をあきらめてしまった方たちを呼び込むような大きな共闘がつくれるのか」が問われている、と声明した。

日本共産党は、これまで、政策合意を前提に相互推薦・相互支援の「本気の共闘」の実現を訴えてきたが、自ら「本気の共闘」を作りだし、参院選での野党統一候補実現を証明して見せたのである。これを受けて、枝野立民党代表も、野党各党と懇談し、連休明けに野党候補一本化の決着を目指すとして、本格的に動き出した。