一粒の麦NO297 反骨爺のゆぶやき

 史上初めて核兵器を違法化する核兵器禁止条約の批准国が、9月30日に批准したマレーシアを含め、必要な50カ国まで、あと4カ国になった。46番目の批准国・マレーシアには馴染みがあるが、45番目のマルタ共和国は、イタリアのシチリア島の南に位置する小さな共和国である。それだけではない。46カ国のうち、カリブ諸国や大洋州の諸国が多いのに驚かされる。その中には、8月9日に批准したカリブ諸国のセントクリストファー・ネビスのような小さな島もあれば、8月6日に批准した大洋州のニウエというちょっと昔の世界地図には乗っていない国もある。

 昨年11月4日、志位委員長が綱領改定案の提案をしたときには、批准国は33カ国となっている。それから10カ月あまりで、13カ国が批准し、今年の8月以降現在までに6カ国が批准しているのを見ても、加速しつつある動きを知ることが出来る。発効に必要な50カ国の批准まであと一息であり、私たちは「世界の構造変化」(綱領)を目の当たりにしている。

2020年1月に改訂された日本共産党綱領は、この構造変化について、「世界のすべての国ぐにが、対等・平等の資格で、世界政治の主人公になる新しい時代が開かれつつある。諸政府とともに市民社会が、国際政治の構成員として大きな役割を果たしていることは、新しい特徴である」と指摘している。

 ヒバクシャを先頭とする日本の市民運動は、核兵器禁止条約の発効に必要な50カ国の批准国を実現するために、懸命の努力を積み重ねてきた。市民連合は、次期総選挙への共通政策として、「核兵器禁止条約を直ちに批准する」ことを掲げている。市民運動に応えて、次の総選挙で日本に野党連合政権を確立し、直ちに核兵器禁止条約を批准することが出来たら、世界の平和を愛する人々に対して、どんなに誇らしいことであろうか。