NO,282号 反骨爺のつぶやき 高村よしあつ(顧問)

投稿日: 2019/08/04 8:04:56

いよいよ、アベ政権打倒のために、本格的な野党共闘を構築して臨む歴史的な参院戦が始まった。その結果が、ウソとごまかしと強権の安倍政治から、明るい未来を語りあえる希望に満ちあふれた日本に転換することを願ってやまない。

参院戦の最大争点として、急速に浮かび上がってきたのが、12年前の「消えた年金」に続いて、またもや年金問題である。

「そもそも、消費税導入のときの公約は『社会保障のため、年金財源にする』ではなかったのか。実際にはそれを『3%』では足りない、いや『5%』、いやいや『8%』、ついにはこの秋から『10%』。それでも足りなくて、自分で2000万円貯金しろだと?」(6.27 しんぶん赤旗)。)

アベ政権が、「100年安心」と言っていたのに、消費税をどんどん増額しながら、「厚生年金では生活費をまかなえない」と認めたのには、実は「マクロ経済システム」という年金削減の仕組みをつくってしまったところにある。

ルソーは、「人民が減少し、衰微してゆくような政府は、もっとも悪い政府である」(『社会契約論』P118)と述べている。日本は残念ながら少子高齢化社会である。ところがアベ政権は、人口増や年金増に踏み出すどころか、逆に「マクロ経済」に合わせて、7兆円も年金給付を減らそうとしている。アベ政権は、自ら少子高齢化社会を作り出しておきながら、消費税はちゃっかり法人税減税に宛て、さらに年金を削減し、姥捨山の社会にしようというのである。

希望ある未来を保障するには、「マクロ経済スライド」そのものを廃止して、「減らない年金」に切り替えなければならない。この点を明確にして、消費税に頼らない財源を考えない限り、年金問題の根本的解決はあり得ない。市民と野党とが結びついた今度の選挙は、政治を変える絶好の機会である。希望に満ちた未来が切り開かれる選挙にしたい。