NO.258 反骨爺のつぶやき 高村よしあつ

投稿日: 2018/03/22 5:35:04

「一粒の麦」の5月、6月号で、オリバー・ストーン監督の「スノーデン」が紹介されている。2013年6月、スノーデンはアメリカがテロ対策を口実に想像を絶する監視政策を展開していることを暴露して、世界を驚愕させた。

アメリカは、2001年9月の同時多発テロ以後、世界を一変させた。テロ対策の名のもとに、あらゆる個人情報の監視が秘密裏に許されることになったのである。私たちの持っている携帯電話、パスピー、イコカなどの一つひとつの動きが、私たちの日々の動きを自動的に収集し、データとして保管され、政府に伝えている。このやり方で、アメリカは同盟国であるドイツのメルケル首相の携帯電話まで盗聴していた。

こうしてアメリカは同盟国まで監視しながら、他方で日本の情報機関にアメリカと同様の監視活動をテロ対策として要求しているのである。2010年、公安資料がインターネットに流出し、日本の警察がイスラム教徒を秘密裏に監視していたことが明らかとなった。2016年、大分県警は野党の選挙事務所に監視カメラを設置していたことも明らかにされた。そして2017年1月、政府は10年以上捜査機関にGPS装置を利用させながら、捜査資料にはその事実を一切記録させないよう警察に指示していたことも明確になった。

しかし、アメリカはそれではまだ足りない、もっと全人民を監視する無差別・網羅的な新しい監視体制をつくれと日本に要求した。それに応じてアベ首相は共謀罪法案を提出し、無理を承知で成立させるという暴挙にでたのである。スノーデン氏の最新の集英社新書の表題は「日本への警告」である。スノーデン氏はアメリカの無差別・網羅的な監視体制は、日本にも要求されている、と警告しているのである。

テロ対策は口実にすぎない。国民主権の大原則が揺るがせられようとしている。アベ政権は市民と野党の共闘で打倒する以外にはない。東京都議選はその変革の第一歩であった。