NO.272 反骨爺のつぶやき 高村よしあつ

投稿日: 2019/01/15 7:42:04

2018年の9月は、韓国と北朝鮮とが3回目の首脳会談を予定している時期であり、今年中の朝鮮戦争の終戦宣言が主要な議題になると言われている。

一年前、北朝鮮とアメリカとは、一色即発のピリピリした戦争の雰囲気に包まれていた。しかし、4月27日の南北首脳会談から、ガラリと情勢が変化し、いまや朝鮮半島の平和体制が、北東アジア全域に大きく広がろうとしている。

これまで日本は、アメリカに追随して、北朝鮮を敵視し、北朝鮮の核ミサイル攻撃に対抗するとして、一路自衛隊を増強し、9条改憲を掲げてきた。私たちは、もし朝鮮半島での有事が生じれば、アメリカと一体として行動する日本がどんな戦争に巻き込まれ、どんな大惨事を引き起こし、何百万人の犠牲を生み出すのかを想定したことがあるだろうか。朝鮮半島の有事は、日本の有事であり、朝鮮半島の平和体制は、日本の平和体制である。私たちは、朝鮮半島の情勢を他人事として論評するときではないのであり、この絶好の機会を生かして、植民地支配の反省のうえに、日韓、日中を含む北東アジア全域の平和のプロセス確立に全力を挙げるべきときである。しかしアベ内閣は、この朝鮮半島の情勢の劇的変化に目をつむり、次の国会に9条改憲案を提出して、海外での全面的な武力行使に道を開こうとしている。

日本は、イタリア、ドイツ敗北の後、第2次世界大戦における最後の枢軸国として、世界中を相手にたたかった。それだけに、連合国は日本にポツダム宣言の受諾を求め、日本は、憲法によって、これからは軍隊を持たない平和で民主的国家に生まれ変わることを世界に宣言して、やっと国際社会に復帰することができた。

もう一度日本は、3000万署名をひっさげ、原点にたちもどって国際社会の信頼を回復すべきときである。平和への流れを逆行させてはならない。