NO.253 反骨爺のつぶやき 高村よしあつ

投稿日: 2018/03/22 5:20:54

日本共産党の自信に満ちた第27回大会が、内外の注目を浴びている。一つは野党共闘の前進と野党連合政府に対する確信であり、もう一つはG7のなかで唯一躍進している共産党として、世界全体を見通しながら、「個人の尊厳」を旗印にして連帯と交流を深めようとしていることである。

現代資本主義は、新自由主義的国家独占資本主義と呼ばれている。アメリカの金融独占資本は、金融自由化の流れを世界中に引き起こし、マネー・ゲームで貧富の格差を飛躍的に拡大している。そのもとで資本主義的矛盾は展開し、1%の富裕層と99%の世界人民の対決する時代となった。国際援助団体のオックスファムが発表した『99%のための経済』によると、世界の最富裕層8名の持つ資産は、世界人口の下位半分である36億人の持つ資産と同じだという。ヨーロッパでも、日本でも、新自由主義に対する反撃が始まっている。そこに共通するのは、「個人の尊厳」を守れ、である。

日本で野党共闘が前進したのは、99%の国民が、政治を変える主体として「個人の尊厳」をもとに共闘相互の間にリスペクト(尊敬)しあったことにあった。そこにあるのは、人間への信頼である。あらためて科学的社会主義の哲学の基本は、人間としていかに生きるべきかという人間論にあるのではないかと考えている。旧ソ連が「人間抑圧型の社会」と呼ばれているのは、人間論の存在しない人間社会の建設に問題があったのではないかと思われる。

3月18日から「”目からうろこ”の哲学講座」が始まる。人間が人間らしく生きるという基本のうえに、初めて人間社会の変革が問題になってくることを提起したいと思っている。新しい時代が日本でも始まろうとしているのだ。