マネジメントの哲学

今日必要とされているものは、一人ひとりの強みと責任を最大限に発揮させ、彼らのビジョンと行動に共通の方向性を与え、チームワークを発揮させるためのマネジメントの原理、すなわち一人ひとりの目標と全体の利益を調和させるためのマネジメントの原理である。

これらのことを可能にする唯一のものが、自己管理による目標管理である。

この原理が、外からのマネジメントに代えて、より厳しく、より強く、より多くを要求する内からのマネジメントを可能にする。この原理だけが、指示や命令ではなく、仕事のニーズによる行動への意欲を起こさせる。誰かの意思によってではなく、自ら行動しなければならないという自らの決定によって行動させるようになる。言い換えるならば、自由な人間として行動させる。

自己管理による目標管理こそ、まさにマネジメントの「哲学」と呼ぶべきものである。この原理は、マネジメントのコンセプトそのものを基盤とし、マネジメントのニーズと障害についての分析からスタートしている。企業の規模を問わず、あらゆるレベルのあらゆる人に適用することができる。それは成果を確実なものにするために、客観的のニーズを一人ひとりの目標に変える。

こうして真の自由を実現する。

「マネジメントの哲学」と相当強い表現を使っていますが、それだけこの自己管理による目標管理が大事だということなのだと思います。

指示命令を行うマネージャーと何も考えずに指示内容をこなしていくマニュアルワーカーという構図では、事業全体の目標を達成でできないどころか、一人ひとりの自由は実現できず、ひいては社会が不満に満ちた不幸せな社会になってしまうと言いたかったのでしょう。

ドラッカーは、すべての人が社会で役割をもち、成長することによって、喜びや生きがいを得られるということを「自由」と呼んでいるようです。それは、一人ひとりがその「責任」を果たし、組織への貢献を通じて社会に貢献していく事によって実現されると言っています。

言い換えると「自由」と「責任」は表裏一体で、「自由」だけを手にすることはできない、必ず「責任」もついてくるということを教えているのです。厳しいですね。

2013/7/14