第三に、目標に照らして自らの仕事を評価するには情報が必要である。
働く人は、自らの仕事ぶりについて自ら管理し、評価し、方向付けする必要がある。彼らは、改めて人からいわれなくとも、自らの仕事ぶりを知り得なければならない。
企業は働く人に対し、自らの行動の結果について責任をもたせることが必要である。そのためには働く人が、自らの仕事が全体の活動といかなる関連にあるかを知ることが必要である。
働く人に必要な情報を提供することは容易ではない。マネジメントは彼らに対し、それらの情報を提供するよう努める必要がある。もちろん最善の努力によっても、膨大な数の従業員全員に必要な情報すべてを伝えることはできない。
しかし、すべての働く人に情報を伝えようとすることによってのみ、工場、事務所、店舗において、職場の意見をリードし世論を形成している職場集団との間で意思の疎通を図ることもできるようになる。
仕事で責任をもたせる四つの方法のうち三つ目の方法が、このセクションで説明している「自己管理に必要な情報の提供」です。(第一は人を正しく配置すること、第二は仕事に高い基準をもとめることでした。)
たしかに、一人ひとりの働く人にとって、自分が活かせる(強みを発揮でき成長できる)仕事についていて、達成感と成長を実感できる挑戦的な目標を立てて仕事を行っていければ、自分の仕事に責任をもって当たることができそうです。
そして仕事に当たっている最中には、適時適切にその仕事の結果についてフィードバックを得られ、仕事ぶりがうまくいっているのかどうかを常に確かめられる状態を作りなさいとしているのが、「情報の提供」です。
ドラッカーは、マネジメントに対し働く人一人ひとりに情報提供することを求めていますが、上記のようにそれは容易ではないことは分かっています。ですが、少なくともその努力をしていること自体は、働く人たちに伝わるようにしておくべきだとしたのです。
2013/9/26