人事異動の対象となった経営管理者は、誰が決定を行ったかを知らされる必要がある。逆に、自分がそれらの意思決定を行うときには、誰と相談すべきかを知る必要がある。
また、自分の仕事に関係のある意思決定が、誰かの恣意や判断の間違いによる影響を受けないようになっていることを知る必要がある。
マネジメントが正しい組織の文化を確保しようとしていることを示す行動をとることは、さらに重要である。そのための簡単な方法は、すべての経営管理者に対し、次のようなメッセージを伝えるような行動をとることである。
「組織の文化は組織全体の問題である。自らが率いる部門において、優れた組織の文化をつくるために何をしているかを考えてほしい。また、自らが属している上位の部門において優れた組織の文化を生むために、上位の部門全体のマネジメントが何ができるかを教えてほしい。」
このように、一人ひとりの経営管理者とその上司の行動について常時点検させることが、組織の文化を向上させる上で大きな役割を果たす。トップマネジメントが本気であることを知らせる。組織の文化への意欲を生み出す。
人事に関する意思決定プロセスの情報が組織の中でオープンになっているということは、意思決定をする側の人たちにとって、相当厳しい仕事を求めていると思います。意思決定の結果として異動内示を受けることはあっても、それは誰がどのような価値観で決めたことなのかを知らされるということは少ないのではないでしょうか。
人事異動の決定理由、本当の理由を知ることができるというのは、確かに組織自体が真摯な姿勢で異動を考えてくれているという組織文化を示すことになると思います。
そして、トップマネジメントが本気であることを示すためにすべてのマネージャーに上記のようなメッセージを送りつづけ、一人ひとりのマネージャーが常時点検できるように仕向けることが、正しい組織文化を作ることにつながると理解できます。
2013/7/26