マネジメントが事業のための機関であるという事実は、マネジメントの活動範囲と能力を限定する一方において、マネジメントに対し活動を行うべき重大な責任を課す。マネジメントするということは、単なる受動的、適応的な行動ではない。それは、望ましい結果をもたらすために行動することである。
確かに経済の動きに対し、迅速かつ知的、合理的に適応することは必要である。しかしマネジメントの働きは、受動的な反応や適応にとどまらない。
マネジメントには新しい経済を作る責任がある。その経済の中にあって、変化を計画し、その実現の先頭に立ち、担い手となる責任がある。そして企業活動の自由に対する制約を除去する責任がある。
新しい経済を作るとはずいぶん大げさな表現ですが、マネジメントの実践により成果を上げたならば、それは外の世界に対し何らかの影響与えている訳ですから、新しい経済を作っていく一翼を担っていると言えるのだという意味だと思います。
この項の最後に「事業のマネジメントとは、目標によるマネジメントである。これが本書のテーマである。」という記述があります。
第4章から第9章までが事業のマネジメントについての記述となっていますので、詳しくはその章で見ていくことになります。
2013/5/13