オートメーションという新しい技術の到来が、経営管理者を過剰にすることはない。経営管理者が技術者にとって代わられることもありえない。逆にこれまで以上に多くの経営管理者が必要となる。
技術の発展はマネジメントの領域を拡大する。今日では、一般従業員とされている人たちの多くがマネジメントの仕事を行わなければならなくなる。
そして、あらゆるレベルにおいて、責任能力、ビジョン、リスク選択、経済知識、マネジメント手法、人のマネジメント、意思決定能力に対する要求が増大していく。
経営管理者は原文ではmanagerですので、オートメーション化によってマネージャーが増えると言っています。 マネジメントはあらゆるレベルで要求されるようになり、それまで指示された仕事だけを考えること無しに行っていた人たちにも、自ら考えて工夫して仕事を行うことが要求されるようになるということだと思います。 この記述の後で、ドラッカーは次のように述べています。
「責任と意思決定をトップに集中させようとする企業は滅びる。あたかも環境の変化に適応できない中央集権化した神経によって身体をコントロールしようとした、太古の恐竜のように滅びる。」
なんと、権限を中央に集中させる企業は滅びるとまで言い切っています。思い切った記述ですが、トップから一般従業員までそれぞれの立場で自律的にマネジメントされている組織がこれからの主流だと言っているのでしょう。
2013/5/21