オートメーション化に対する障害は大きい。特に新しい考え方や技能経験のある人たちが不足している。オートメーション化に向けての変革は漸進的で、まだら模様に進展することとなる。
人口増、技術進歩、経済発展などから計算される必要最低限の経済成長の目標を実現するには、現在の生産システムのもとでは労働力を倍増させることが必要である。
今後数十年において、企業の能力向上のための顕著にして将来性ある持続的な機会は、第一に新型の大量生産の原理の適用と、第二にオートメーションの原理の適用にある。
効率的な生産とは、機会や道具の問題ではなく生産の原理の問題であることを理解する必要がある。これを理解せずにマネジメントが自らの仕事を的確に果たすことは不可能である。
本書は1954年の著作ですから、第二次世界大戦終結から10年を経ておらず、アメリカの成長著しい時期に書かれています。
現在の日本は既に人口減少社会に入っていますので、社会環境としてはこの当時のアメリカとはずいぶん違います。
高齢化によって一人の労働者が支える高齢者が増えていくということは、やはり生産の効率化をさらに必要とするという点では共通点があるかもしれません。
その理解が誤っていたとしても、製造業に携わるマネジメントは、前のセクションでも述べられているように、生産システムが要求する仕事、能力に合わせて変わっていかなければならないのです。
2013/7/1