仕事のために人を組織することは、一人ひとりの人間をその最も適した仕事に配置することを意味する。
働く人の側も、自分が現在行える能力以上の仕事を必要とする。自らの能力や才能を最大限に発揮する場、成長の機会と最高の仕事を与えてくれる仕事を必要とする。
人は自らを正しく配置する能力を持つ。しかし、その場所に達するまでに長い年月をさまよう。それは偶然に左右される不満だらけの長い時間を要するプロセスである。
したがって、継続的かつ体系的な配置の努力こそ、人と仕事のマネジメントにおいて重要な課題の一つである。それは働く人たちが仕事を知り、彼ら自身が知られるようになった後に行えることである。配置に関わる決定は継続的に点検していかなければならない。
設備の維持であれ、補修であれ、あるいは会計であれ、人が一人あるいは小さなチームとして事細かな監督なしに自主的に働くとき、彼らの仕事ぶりや成果は単に働きたいという意欲ではなく、より良い仕事をしたいという意欲に左右される。すなわち配置によって左右される。
人の仕事を設計し、それをひとかたまりの独立した仕事としてチームに割り当てることができたら、そのチームに誰を入れると最高の成果が出せるのかということを考えるのが最後の段階です。
上記のように、このプロセスは一度行えば良いというものではありません。それは、一人ひとりの働く人が自分の場所を見つけるのに時間がかかるからです。
しかし、人は自らの得意なことを、すなわち強みを使って何かを成し遂げたがるものだということを信じて、継続的にその人の能力を最大限に発揮できる場所を探し続けることが、働く人を幸せにし、同時に最高の成果をあげる組織になるとドラッカーは主張したのです。
2013/9/23