しかし、これらめまいのするような大変な仕事を行うために、新種の人類が現れるわけではない。明日の経営管理者が、彼らの親よりも偉大になれるわけでもない、能力は同じであり、弱さも同じであり、限界も同じである。
それではかつてと同じ種類の人類をもって、これら経営管理者の直面する新しい課題を遂行することができるか。
答えは一つしかない。仕事の単純化である。そのための方法も一つしかない。勘と直感で行ってきたことをシステムと方法論によって行い、経験と体験によって行ってきたことを原則とコンセプトによって行うことである。個別事象の偶発的な発見を論理的総合的なパターン化による認識によって変えることである。
前のセクションで述べられたように、これからのマネージャーには実に多様な仕事が求められるようになります。
これらの仕事を責任をもって果たしていくための一つの結論が、上記で述べられているように、仕事の単純化だと結論づけたのです。
そのために、前の世代が長い時間をかけて勘と経験を積み上げ実現してきたことをもっと短時間で生み出さなくてはならず、それはパターンを認識したり、普遍的なコンセプトを形成したり、原則を適用するということによって実現していくべきとしたのです。
ただし、こういった方法論によってだけで誰でもが優れたマネージャーにすぐなれるわけではありません。その点については次のセクションで述べられています。
2013/10/30