事業目標を達成するために、いかなる活動が必要かを知ることはあまりに当然のことであって、特に取り上げる必要もないと思われるに違いない。
確かに、製品を生産し販売しているメーカーには、「生産」「エンジニアリング」「販売」と呼ばれる活動(機能)が必要である。しかしこれらの機能は、いわば入れ物にすぎない。その入れ物に何を入れ、その大きさはどうするか、それが問題である。したがって事業ごとに、機能の分類か適切か否かを検討する必要がある。
事業に必要な活動を、完全かつ細心に分析することによってのみ、いかなる仕事が必要であり、いかなる仕事が一つにまとめられ、組織構造の中でいかなるアクセントが付けられるべきかが明らかにされる。
活動分析は歴史のある事業、特にうまくいっている事業において重要である。そのような事業では、必ずといってよいほど、重要な活動が面倒を見られずに放置され、場当たり的に扱われている。かつては意味のあった活動の分類に意味がなくなり、成果をあげるうえで障害になっていることが明らかにされる。
もちろん、新しい事業にとっても、このような活動分析は必要である。
新規事業を立ち上げる場合を除き、ほとんどの組織はこれまで成果をあげる活動を行って事業を継続してきています。その組織の歴史の中で、様々な経験を通して現在の組織の形、組織構造に至っています。
組織の内部にいると、現在の組織構造が当然で最適なものになっていると思いがちであることに対して、ドラッカーは「事業の成果に必要な活動に本当になっているかを確認しなさい」と言っているのです。
また、新規事業に関しては、事業の成長に伴って「二間の小屋で始めた事業が、成長に伴い、屋根裏を使い、建て増しをし、間仕切りをしたりして26室の大屋敷となった挙げ句、水を飲んで仕事場に戻るにもセントバーナード犬の案内が必要なった企業」で活動分析が必要だと述べています。
2013/8/9