第三の生産はプロセス生産である。ここで、プロセスと製品は合体する。
プロセス産業の最も古い例は石油精製業である。原油から得る製品は生産のプロセスにより決定される。石油製品の種類や比率は生産プロセスによって決まる。新製品を生産したり、製品の比率を大幅に変更するには精製設備を変えなければならない。
化学工業も基本的にプロセス生産である。ミルク工場や板ガラス工場もプロセス生産である。
オートメーションに最も適しているのが、このプロセス生産と新型の大量生産である。
プロセス生産を行っている業界のことをプロセス産業と呼ぶようですが、部品を加工・組み立てることによって製品を製造する業界とは違って、生産手段によって製品が規定されてしまうような生産方式を指しています。
石油精製プラントとか化学プラントなど、大型のものになるとその生産設備はプラントと呼ばれたりします。
経済産業省の生産革新研究会の報告書では、次のように整理されています。
「プロセス産業は、一般にエネルギー多消費型産業であり、危険な物質の取扱いや負荷のかかる製造条件下における生産工程が多く、高度な安全性が求められるという特徴を有する。
また、組立・加工産業と比して、①設備費が高額であるとともに、複数の事業部が一生産拠点に集合するため製造工程の管理が複雑化し、設備の構成の組み換えを容易にはできない、②プラントの発停時に多大なエネルギーと日数が必要で、発停時が最もプラントが不安定な状態にあり、安全、品質、コスト面で大きな負荷がかかるため、生産停止を容易にはできない、③一連の製造工程中から反応未了のまま排出される原材料を大量に工程内に戻して再利用するといった、組立・加工産業では見られない循環システムを採用し、原材料・エネルギーの効率化を図っているため、運転を中断しにくい、という特徴を有する。」
2013/6/28