優れた文化を実現するために必要とされるものは行動規範である。強みの重視であり、真摯さの重視である。正義の観念と行動基準の高さである。
意味ある行動規範は、能力や態度とは関わりがない。それは目に見える行動である。誰にも見え、行え、評価できるものである。
その行動規範は、人の弱みではなく強身を重視し、卓越性への動機づけをなすべきものである。
正しい組織の文化を確立するには、行動規範として次の五つが求められる。
優れた仕事を求めること。劣った仕事や平凡な仕事を認めないこと。
仕事それ自体が働きがいのあるものであること。昇進のための階段ではないこと。
昇進は合理的かつ公正であること。
個人に関わる重要な決定については、それを行う者の権限を明記した基準が存在すること。上訴の道があること。
人事においては、真摯さを絶対の条件とすること。かつそれは身につけているべきものであって、後日身につければ良いというものではないことを明確にすること。
優れた組織の文化があると、一人ひとりが強みを生かして役割を果たし全体の成果につなげることができると、前のセクションで説明がありました。
では優れた文化を得るためには何が必要か、それは「行動規範」だ、としたのがこのセクションで、上記のように優れた文化に必要な行動規範を五つに整理してくれました。
そして行動規範は、明確で明文化されている必要があると述べています。
インターネットの検索サイトで「行動規範」で検索すると、いろいろな企業が行動規範を制定して公開していることが分かります。
ドラッカーが列挙した五つに必ずしも沿ってはいないかもしれませんが、明文化して誰にも見えるようにしておくことは守られています。
2013/7/20