過去半世紀にわたって、経営管理者のスキル、知識、仕事、責任、真摯さに対する要求は、一世代ごとに倍増してきた。1920年代にはトップマネジメントのごくわずかの先達だけが気づいていたことも、今日では学校を出たばかりの若者が自ら行わなければならなくなっている。
そのような経営管理者に対する要求の爆発的ともいうべき増大は今後も続くのか。その結果、明日の経営管理者には何が要求されるようになるのか。
明日の経営管理者は、その専門や階層に関わらず、企業のマーケティングに関わる目標と方針を理解し、自らが何に貢献しなければならないかを知らなければならない。マネジメントたる者はマーケティングについて、目標を考え、組織を設計して、構築することができなければならない。
また、マネジメントは、市場についての長期的な目標によって、イノベーションをマネジメントすることが求められる。同時に、科学や技術の動向を体系的に把握し、それに従って生産とマーケティングに関わる方針を体系的に策定することが求められる。
第27章で優れたマネージャーの仕事や責任について整理し、第28章ではマネージャーの重要な仕事である意思決定のプロセスについて説明がありました。
第29章では、これらのマネージャーの仕事を受けて、今後のマネージャーには何が求められていくのかを予測しています。
第5章で「企業には二つの基本的な機能が存在する。すなわち、マーケティングとイノベーションである。」と述べられたように、マネージャーは企業の基本的な機能について貢献することが求められています。
そこに、オートメーション化やORといった分析手法などが加わり、マーケティングについては、「もはや商品の販売ではなく、製品企画、市場計画、製品設計、製品スタイル、製品開発、顧客サービスを中心とする」ようになっていくので、上記のように一人ひとりのマネージャーが事業全体のマーケティングとは何かを理解して自らが貢献を期待されていることに努力を集中することが求められていくとしたものです。
2013/10/28