しかし、これら最新の手法を使っても、将来に関わる決定は推測にすぎない。しかも推測は間違うことの方が多い。したがって、あらゆる決定について、変更、適応、応急措置の道を用意しておかなければならない。
具体的には、今日のマネジメントは、明日の経営管理者を体系的に育成しておかなければならないということである。
経営管理者の育成は、今日の決定が明日の頭痛の種となったときに、今日の決定とその背後の考えを理解し懸命な行動をとることのできる人たちを準備しておくという意味において必要である。
事業のマネジメントを行う上で、8つの領域で目標を立てる必要があることについて第7章で解説をした後、経営環境がどうなっていくのか将来を予測することが必要だということについて、第8章で述べてきています。
景気予測などしてみてもほとんど当たらないので、景気は今も悪いし今後もっと悪くなると仮定した上で、底流と趨勢を分析するのだと前のセクションで述べてきました。
しかし、どんなに分析を行ってもその予測ははずれるだろうから、その準備をしておきなさい、それは人づくりなのだということです。
第8章は、次のように結んでいます。
「つまるところ、事業のマネジメントは、いかに経営学が健全であり、いかに経済分析が慎重であり、いかに諸々の手法が優れていたとしても、常に人間的な要因に戻る。」
2013/6/23