事業のマネジメント、経営管理者のマネジメント、人と仕事のマネジメントというマネジメントの三つの機能は、それぞれ別個に分析し、研究し、評価することができる。
しかし日常の仕事の中で、マネジメントがそれら三つの機能を別個に扱うことはできない。また、現在のための意思決定と将来のための意思決定を区別することもできない。
マネジメントの意思決定は、常にそれら三つの機能に影響を与える。しかも将来に関わる最も重要な意思決定は、研究費、苦情処理、昇進、解雇、保全基準、顧客サービスなど、現在に関わる意思決定として行われる。
企業のマネジメントは、(事業、経営管理者(マネージャー)、人と仕事)のマネジメントという三つの機能と、それぞれの機能についての現在と将来という6つの領域について、同時に扱わなくてはならないということを述べています。
三つの機能のうち、あえて順序をつけるならば事業のマネジメントが最初にくるのですが、そうはいっても、経営管理者を誤ってマネジメントすることによってあげた業績や、人と仕事を誤ってマネジメントすることによってあげた業績は幻想だ、そんなことをしていたら企業の活動ができなくなると戒め、同時に扱うことの必要性を説いています。
特に、経営管理者のマネジメントと人と仕事のマネジメントが重要な意味を持つのは、それが実践されているかどうかについて、その組織が属する社会が重大な関心を持っているからという理由が挙げられています。
ドラッカーは、企業は社会に貢献するからこそ、その社会での活動が許されている存在なのだ、ということも言っているようです。
2013/5/17