マネジメントとは、事業に命を吹き込むダイナミックな存在である。そのリーダーシップなくしては、生産資源は資源にとどまり、生産はなされない。彼らの能力と仕事ぶりが、事業の成功さらには、事業の存続さえ左右する。マネジメントこそ、企業がもちうる唯一の意味ある強みである。
文明が存続するかぎり、マネジメントは基本的かつ支配的な機関として残る。それは、近代経済の特性および企業のニーズからして不可欠のものである。
本書は、全29章プラス終章で構成されていますが、その長文は上記の一段落目から始まっています。
一般的には、企業や組織の強みは他の同業との差別化要因などで語られることが多いのですが、ドラッカーはいきなり「マネジメントこそ企業の強み、しかも唯一の強みだ」というのですから、少し理解しがたい表現です。
差別化要因となる技術や特許やカリスマ店員を抱えていたとしても、それだけで事業が成功する訳ではなく、事業の目的に沿ってそれらの差別化要因を効果的に発揮するために、適切なマネジメントが必要となるのだと言っているのだと思います。
自分自身が確たる技術を持っていなくとも、マネジメント能力を磨けば組織にとっての強みになりうるというのは、勇気づけられる思いです。
2013/5/8