マネジメントが行う基本的な意思決定のすべてが、事実上長期のものである。最近では10年でさえ短い。
研究開発、工場建設、販売組織の設計、新製品の設計など、マネジメントが行う重要な決定のすべてが、成果をもたらすには数年を要する。真に生産的なものとなるには、すなわちそのために投じた人や資金を回収するには、さらに長い年月を必要とする。
5年、10年、15年先についての予測は常に、推測にとどまる。しかし、知的な推測とヤマ勘、起こりうる可能性の合理的な評価に基づく推測と賭けにすぎない推測との間には、大きな違いがある。
ドラッカーは、基本的な意思決定が成果を出すまでの期間は、長くなっていると主張しています。
1900年以前では、製品の発明から量産化までは数年で実現できていたものが、本書の当時1950年代には10年近くかかるようになってきたと分析しています。
さらに50年以上を経た現在では、さらに長くなっているのでしょうか。消費者の嗜好の変化が早いとか、技術進歩はドッグイヤーだとか言われており、サイクルは短くなっているような気がするのですが、それでも事業を継続していく以上、マネジメントは10年単位のことを常に予期しておかなければならないということなのだと思います。
そして、10年先となればどうしても推測にとどまるのだが、単なるヤマ勘ではなく、まじめに分析して様々な可能性を考えて推測を行うことが大事だとしています。
2013/6/20